こんにちは。
社交不安症専門、心理セラピストの佐々木まなです。
今日は、カウンセリングの中で私自身とても重要だと感じているテーマ、
「厳しい内なる親(インナーペアレント)」についてお話ししたいと思います。
「心のよりどころメソッド」のワークの中では、
自分の中に“優しいインナーペアレント”を育てていくことを大切にしています。

けれど、同じワークをしても、すんなり自己受容が進む方もいる一方、
なかなか「自分を許せない」「優しい声がしっくりこない」という方もいらっしゃいます。
その違いを丁寧に観察していくうちに、
私はある共通点に気づきました。
それが――
「心の中に、厳しい内なる親が強く存在している」ということ。
今日はこの“厳しいインナーペアレント”に焦点を当て、
その正体と、心への影響、そしてどう向き合っていけばよいのかをお話ししていきます。
1. そもそもインナーペアレントとは?
「インナーチャイルド(内なる子ども)」という言葉を耳にしたことがある方は多いかもしれませんね。
「心のよりどころメソッド」では、まず自分の「インナーチャイルド(内なる子ども)」に気づくことから始めます。
「インナーチャイルド(内なる子ども)」に対して「インナーペアレント(内なる親)」とは、私たちの心の中に存在する“親的な部分”のことです。
それは、実際の親とは別に、
私たちがこれまでの人生の中で形成してきた「内的な親のイメージ」。
たとえば、
- 自分を励ましてくれる優しい声
- 失敗したときに寄り添ってくれる存在
- 自分の努力を見守ってくれる安心感
こうした部分が育っていると、私たちは自然と自己受容が進み、
失敗しても「そんな自分でもいい」と思えるようになります。
けれど一方で、
中には“もうひとつの親の声”が存在していることがあります。
それが――
「厳しい内なる親(critical inner parent)」です。
2. “厳しい内なる親”の正体
厳しいインナーペアレントとは、
心の中で常に「ダメ出し」をしてくるような内なる声のことです。
たとえば、次のような思考が繰り返されていませんか?
「ちゃんとやらなきゃ」
「そんなことで落ち込んでどうするの」
「もっと頑張らないと認められない」
「人に迷惑をかけるなんて最低だ」
この“内なる声”は、本人が意識していなくても、常に心の背景で流れ続けています。

そしてそれは、多くの場合、
幼少期に親や周囲から受け取ったメッセージが心の中に内在化したものです。
たとえば、
- 厳しい親に育てられた
- いつも「ちゃんとしなさい」と言われていた
- 感情を抑えることを求められた
- 誰かの期待に応えることで愛されてきた
こうした経験が重なると、
「失敗=愛されない」「甘える=迷惑をかける」
という無意識の信念が心の中に残ります。
その結果、
“内なる親”が「厳しい監督」のような存在になってしまうのです。
3. 厳しいインナーペアレントが自己受容を妨げる理由
自己受容とは、「ありのままの自分を受け入れる」こと。
つまり、「できる自分」も「できない自分」も、どちらも認めることです。
しかし、厳しい内なる親が強い人ほど、
“受け入れる”ことに抵抗を感じます。
なぜなら、心の奥でこんな声が響いているからです。
「そんな甘えは許されない」
「ちゃんとしないと人に迷惑をかける」
「弱い自分を認めたら終わりだ」
このような内的メッセージは、
自己受容のプロセスそのものを「危険」と感じさせてしまいます。
つまり――
「受け入れたら堕落する」「許したらダメになる」
という恐れが、自己受容をブロックしているのです。
その結果、
いくら優しい声をかけようとしても、
その声が「うそっぽく」感じられたり、
「そんなこと言ったって…」と心が拒否してしまったりします。
これは、その人の意志が弱いからではありません。
“厳しい内なる親”が強く、心の防衛として働いているからなのです。
4. 厳しいインナーペアレントがもたらす影響
この“内なる厳しさ”が続くと、次のような影響が現れてきます。
① 慢性的な自己否定
何をしても「まだ足りない」「ダメだ」と感じる。
心の中で常に減点方式になってしまい、満足感が得られません。
② 他人との比較がやめられない
常に「他の人のほうが上」「自分は劣っている」と感じてしまう。
それも、“親に認められたい”という幼い願いが根底にあることが多いです。
③ 不安と罪悪感の増幅
少し休むだけで「怠けてる」と責められる。
他人の期待に応えようと頑張りすぎて疲れてしまう。
④ 優しさへの抵抗
他人から優しくされても、「申し訳ない」「そんな価値ない」と感じてしまう。
これは“優しさを受け取る器”が、厳しい親の声で塞がれている状態です。
5. 「厳しい親の声」が生まれた背景
この厳しい内なる親は、もともと私たちを守るために生まれました。

子どもの頃、親に怒られないように、
「ちゃんとしなきゃ」「頑張らなきゃ」と思うことで、
小さな自分は必死に安全を守っていたのです。
つまり、
厳しいインナーペアレントは「かつての生きるための戦略」だったのです。
その声は、本当は私たちを傷つけたいわけではなく、
「こうしないと生きていけなかった」時代の名残なのです。
けれど今、私たちはもうあの頃の小さな子どもではありません。
それでも、内なる親は昔のルールで私たちを管理し続けている――
だからこそ、今の私たちにとって、その声は“生きづらさ”に変わっているのです。
6. 厳しい内なる親と向き合う
では、この厳しいインナーペアレントと、どう向き合えばいいのでしょうか。
このプロセスには、“焦らないこと”がとても大切です。
厳しい親の声は、長年あなたを守ってきたもの。
一夜にして消えるものではありません。
けれど、少しずつ「ありがとう」「もう大丈夫」と伝えるたびに、
心の中で何かが確実にほどけていきます。
厳しかった声が次第にやわらぎ、
やがて心の中に「安心のスペース」が生まれてきます。
”厳しい内なる親”に対して理解と感謝を示し、
”優しい内なる親”へと再構築していくこと。
それが、本当の意味での自己受容への道なのです。
7. 厳しさの奥にある「愛」に気づくこと
自己受容が進まないとき、
私たちはつい「やり方が悪いのかな」「まだ足りないのかな」と思いがちです。
けれど、本当の理由は“厳しい内なる親”がまだ頑張っているから。
その声を責めるのではなく、
「今まで守ってくれてありがとう」と伝えることが、
癒しの第一歩になります。
やがてその厳しい声は、
あなたを苦しめる存在から、
あなたを見守る“本当の味方”へと変わっていきます。
“本当の味方”になってくれたとき、
「心のよりどころ」は、外の誰かではなく、
あなた自身の中にあることに気づくでしょう。

”厳しい内なる親”を癒し、安心して
“優しい内なる親”を育てていくワークを
「心のよりどころメソッド」に新たに取り込みました。
「心のよりどころメソッド」には、次の2つのコースがあります。
- カウンセリングコース:ZOOMセッションを中心に、お悩みの改善を進めていきます。
- 動画プログラム:動画教材を視聴していただいて、ご自身でワークを進めていただきます。
まずは、初回カウンセリングでお悩みを聞かせてください。
心理セラピスト 佐々木まな








